ハインリッヒ・バイエルライン
ハインリッヒ・バイエルライン
「すまんが定時だ。甥っ子の迎えの時間だ!」
■Data:ドイツ人/32歳/男性
■二つ名:"火炎公(アイニ)"
■容貌:謹厳実直という言葉を絵に描いたような男
■表の顔:大学の準教授
■異能:科学者/パイロキネシス/欠落者
Profile
ドイツ出身の科学者。幼い頃に実家を火事で失い、家族が一時バラバラになったという事件があり、それ以来、彼は火事というものを少しでもこの世から減らす事を使命とする。
大学では建築学を専攻し、免震や防火、耐火について幾つもの優秀な論文を発表。順調に博士課程まで進む。しかしその頃、彼は己の心の中に潜む、おぞましい一面に気づき始めていた。幼い頃に家を奪った、憎いはずの火……それを、『美しい』と感じ、『もっと見たい』という自身の密かな願望に。
大学の研究室で実施された、建材に火をつけて耐火性能を確かめる実験の時、ついに彼の欲望は爆発。建材を焼いている火に実験室のあり合わせの薬品を加えて大火災を引き起こすという暴挙に出た。防火と耐火を知り尽くした彼の知識は、裏返されて最悪の放火のテクニックと化し、大学の研究棟が一つ消失するという事態となった。人死にはなく、また、彼も疑われずあくまで実験中の事故として処理されたが、彼は自分自身を許せず、逃げるように姉妹校である日本の某大学へ準教授として赴任。現在では、地震国である日本で免震を中心とした建築学を教えており、評判はよい。
己という人間の業の深さに延々と悩み続けていたハインリッヒだが、ある時、一人のバンパイアハンターが、火を操る吸血鬼と戦うために彼にアドバイスを聞いたとき、彼は天啓を得た。『燃やしても死なない吸血鬼』ならば、思うがままに己の欲望を叩きつけられるぞ、と。現在では聖フィロフティアのエージェントとして、吸血鬼相手に蓄えた火の知識を存分に奮い、病癖を癒している。たとえそれが一時しのぎとわかっていても。
Ability
■【放火】……天性の放火魔。その知識と生来のセンスで、火災を自在に操る。相手の服に移った小さな火の粉を、手持ちの薬品少量や、ほんの僅かな風向きの調整で、またたく間に全身を焼き尽くす程の炎に育て上げる。床に放った炎を火の壁に仕立てたり、屋内火災によるバックドラフト現象で吹き飛ばす事さえやってのける。
本気になれば、風向きと湿度を読んで、マッチ一本で街一つを燃やす事すら可能。戦闘能力はないが、戦術ではずば抜けた凶悪さを発揮するタイプ。ただし、あまり火を見ていると理性を失い、建物や辺り一帯を燃やしつくさなければ収まらない事もある。
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Infomation
■初出:猫又公司web
■原案:STO
■illutration:--